Be!渋谷店の事件簿
A館6階の催事スペースでは、今日から木村課長がメインで進めていた『アリスの世界展』が始まっている。
「百瀬。お客様はどうだった?」
私を見つけるとすぐに正面玄関の様子を聞く木村課長。
心配性は変わらない。
私が新入社員として赴任した広島店での直属の上司も木村課長だった。
黒いワーキングバックとか店内巡回とか、全てはこの方の真似。
「朝からの入りは少ないと思います。やっぱり3連休の中日が一番多いのかもですね」
「いや、こういうものは初日に人が入らないと成功しないんだ」
厳しい顔の木村課長を見てると胸が痛くなる。
「あれ?今日はワーキングバックはどうしたんですか?」
「あぁ、あれか。あれは音がするからな」
ふーん。そういうものなんですか。
店内の音楽の方が大きいと思うんですけど
「百瀬。これが終わったらB館の見回りもお願いしていいか?」
「任せてください」
上から下りてくる企画でも、責任は現場の長が取らされる。
少しも休むことなく会場全体を歩いて手直ししている木村課長。だけど、いつもより背中が少し疲れているように見える。
そんなにこの企画って大変だったのか。
もっと早く異動になってたら、いろいろ手伝えたのにと思っていたら、エレベーターが開いて、中から数人の女の子が降りてきた。
中にはアリスっぽい青いドレスに身を包んでる娘もいて、
良かった。
「いらっしゃいませ。ごゆっくりお楽しみください」
数点の資料用写真を撮ったら、5階の連絡通路を通ってB館へと向かった。
「百瀬。お客様はどうだった?」
私を見つけるとすぐに正面玄関の様子を聞く木村課長。
心配性は変わらない。
私が新入社員として赴任した広島店での直属の上司も木村課長だった。
黒いワーキングバックとか店内巡回とか、全てはこの方の真似。
「朝からの入りは少ないと思います。やっぱり3連休の中日が一番多いのかもですね」
「いや、こういうものは初日に人が入らないと成功しないんだ」
厳しい顔の木村課長を見てると胸が痛くなる。
「あれ?今日はワーキングバックはどうしたんですか?」
「あぁ、あれか。あれは音がするからな」
ふーん。そういうものなんですか。
店内の音楽の方が大きいと思うんですけど
「百瀬。これが終わったらB館の見回りもお願いしていいか?」
「任せてください」
上から下りてくる企画でも、責任は現場の長が取らされる。
少しも休むことなく会場全体を歩いて手直ししている木村課長。だけど、いつもより背中が少し疲れているように見える。
そんなにこの企画って大変だったのか。
もっと早く異動になってたら、いろいろ手伝えたのにと思っていたら、エレベーターが開いて、中から数人の女の子が降りてきた。
中にはアリスっぽい青いドレスに身を包んでる娘もいて、
良かった。
「いらっしゃいませ。ごゆっくりお楽しみください」
数点の資料用写真を撮ったら、5階の連絡通路を通ってB館へと向かった。