浮気男に絡めとられたら(続・恋愛格差)
ゆかりさんは私に助けを求めること無く、数日が過ぎた。
そりゃそうだ。
ゆかりさんは私とはほとんど面識がないってのに、大事な息子を預けたりなんかしないんだろう。
だから、私は相変わらず暇な日常を送っていた。
毎日優からメールは来るけれど、私の作ったご飯を食べれないほど多忙。
電話なんて、ワタシが起きてる時間に長々出来るわけもなかった。
そうして、嘘ついて行かなかった週末。
土曜日だって私がいたら帰ってはくるけど、いなけりゃがっつり仕事するんだろう。
それでも目の届く所に携帯を置いて、優からの連絡を待ち続け夜になった。
「はぁ……」
待つのって辛い。
私も実家に居ることになってるから、優も気を効かせて連絡してこないんだ。
なんか、空回ってるなぁ……
そう思っていたら携帯が震えた。
「ーっ!はい、はいっ!」
慌てて携帯を見ると、それは優ではなくゆかりさんだった。
『あ、あの!……透子さん?』
バックは下手くそなカラオケと話し声で聞き取りにくいぐらい。
「そうです。……どうしたんですか?」
『あ、あの……今、時間あるかしら……?』
「え?えぇ……暇ですけど(ずっと)」
『あの…………申し訳ないんだけど、この間の事……お願いできないかな?』
「えっ?」
『あ、あ!無理ならいいの!』
「……もしかして誠ちゃん?」
沈黙と同時に新しい歌が始まる。
これはまた……ひどい音痴だな。
『実は……誠一の様子がおかしいの……家に見に行ってもらえないかしら……今日は団体の貸しきりで流石に抜けられない……』
「わかった。いきます。」
気付いたらそう答えていた。
一人でいる幼児の様子がおかしいなんて、恐ろしすぎる。
「家はどこですか?」