浮気男に絡めとられたら(続・恋愛格差)

え~!!私?
今の今まで完全に取り残されてたのに、ここにきていきなり振りますか!?

振られた私は「え?え?」と慌てているだけで、ちっとも頭が働かない。

そしてそんな私をはじめは『?』の表情をして見ていた万里子さんだが、ピンとくるものがあったのか次第に目が強張っていく。

優に助けを求めてみると、溜め息をつきながら「仕方ないなぁ」とぼやいている。

「取り合えず、その辺は説明してもらってください。木嶋さんから直接ね。万里子さんは落ち着いて……聞いて上げてください。じゃあ俺らは隣にいますから。」

と私の手を引いた。

「ちょっ……待ちなさい!すぐるっ!その子は!」
「今日はプライベートだし、いくら社長でも社員の恋を邪魔すると馬に蹴られてしまいますよ。」

そう言って靴を履き、私を促した。

「優……でも……」
私はまだなんの釈明もしていない。
その為にわざわざここまで来たのに。
しかもこれ以上拗れると、今日中に……帰れない、非常に冷静なようだが。

「いいのいいの。結局当人同士が話さないと何にも解決しないって。木嶋さん、そうですよね。」

黙ったままの二人を無視して優は出ていった。

「あ、あの!失礼しました!」
優のいないこの部屋はあまりにも心細くて、私はペコッとおじぎをして外へ出た。

ドアを外から背中で押し付け、「はぁ~……」と息を吐き出した。

「お疲れ。あとは木嶋さんに任せよう。」

「……うん。」

優は部屋の鍵を開けて、私を手招きした。
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