浮気男に絡めとられたら(続・恋愛格差)
いつだって口癖のような愛の言葉に言いくるめられて、振り回されている。
「いつ退職できそう?」
「さぁ……いつなんだろうね。」
「早く永久就職しにおいでね。」
「う~ん。どうしよっかなぁ……」
「透子~……」
だからこんな少しの抵抗は許してほしい。
「だったら妊娠しちゃえば?そうだ!そうしよう!」
「妊娠してもすぐに辞めれる訳じゃないけどね。」
「あ、そうか!くっそ~……」
こんなに身勝手な優だけど、いつだって私と一緒に居たいと思ってくれているあなただから、私も甘んじて振り回されていようと思う。
「それに、私もう帰らないと。」
「まじ?」
「うん。また来週……会いに来てくれる?」
少しだけ素直に甘えてみた私を
「……うん。来週、荷物ごと俺の全部をお届けします。」
ぎゅっと抱き締めてくれた。
「デレる透子は貴重だ……好きだよ。愛してるよ。」
そして惜し気もなく愛を告げてくれた。
「優、ありがと。」
「違うでしょ。『私も愛してる』でしょ?」
「それはまた来週ね。」
私を腕からそっと離し、チュッと軽いキスをくれた。
「楽しみにしてる」
こんな優だから私は心暖かなまま、また離れることができるんだ。