浮気男に絡めとられたら(続・恋愛格差)

「……は?」
「『は?』ってなんだよ。だから、お前の後任。来週火曜に面接だってさ。だけど、連絡あったのが定時過ぎらしい。歳は28だったかな?やっと吉岡くんとこ行けるな!」
「え?ほんと?あー……そっかぁ。……いやぁ。」

そのうち優がこちらへ戻ってるだろうと考えると、そんなに急がなくてもなくなったのだが。

「なんだよ?嬉しくないのかよ?」

「吉岡くん?吉岡くんって言った?」
お客さんを送り終えたのか、ママが突然テーブルに顔を出した。
「あぁ。吉岡ってのはこいつの婚約者でして。」
「知ってるわよぅ。あらぁ、三池さん……でしたよね?あなたも吉岡くんをご存知なのねぇ。」

知り合いの話が出来そうで、ワクワクしているママ。

「え?ママ……も知ってるの?」
「そりゃあもう!常連さんでしたよ。今は仙台だっけ?」

「ねぇ?」と私に微笑む。

なんだか雲行きが怪しい。

「そうなんだ!吉岡くんは常連か!」
三池さんは知り合いの名前が出て嬉しそう。

「そうそう。透子ちゃんを連れてきてね~……ん?連れてきたんだったかしら?」

実際は私が一人で乗り込んで来たんだけども……(汗)

「いや、もうそこはどうでもいいですよ!ところで三池さん!後任の応募があったって?それ、聞かせて!」
「え?あー……そうそう。まぁ面接次第だけどな。まぁ選んでる時間ないだろうしな。」
「で、ですかっ!よかった!いつから来れるんだろう!」

来週すぐにでも来てくれたら、まぁ私は1ヶ月先にはお役御免だ。
そうすると私はすぐにでも優のもとに駆けつけることができる。何ヵ月かでも遠距離でなくなるのが早くなるんだから。

「だから、面接次第だって。」
「わかってます!応募があっただけでも嬉しいですよ。」
「そんなに早く愛しの吉岡くんと暮らしたいわけね~。御馳走様……」
「いや、まぁ……すいません。」
「謝るってどういうこと?ムカつくんだけど。」

ハハハと空笑いをしてテーブルを見ると、ゆかりさんがいつの間にかウィスキーの水割りを作ってくれていた。

「透子ちゃんのお仕事ってどういうの?」
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