浮気男に絡めとられたら(続・恋愛格差)
初めて聞かれた私の仕事内容。
しかも説明するのは難しい。
「え……えっと、伝票書いたり電話取ったりパソコン入力したり、社長やお客さんににお茶入れたり?まぁ大まかに言えば……雑用?」
結構大したこと無い仕事でした……。
なんか……誰でも楽勝の仕事じゃん!
自分で説明して、そして軽く落ち込んだ。
「……そう。大変な仕事なのね……」
ゆかりさん、私の話聞いてましたか?
「まっさか!頑張れば誰でもできるんですよ~アッハッハ!……痛っ!」
「三池さんが言わないでください!」
三池さんの太股を思いっきりつねった。
「……でも、大変よ。現場に出る男の人ってそういう事務仕事が苦手な人が多いし、面倒な仕事を一手に引き受けてくれる人は結構重要よね。」
「ゆかりさぁ……ん」
まさかのゆかりさんからの援護にちょっとうるっときちゃう。
「そうよそうよ。男って身勝手なんだから~!三池さんも透子ちゃんを尊重しなさい。」
「ママまで……」
やっぱり良い店だよ、ここ。
一気に形勢逆転の三池さんはつまらなさそうに口を尖らせた。
「う……まぁ尊重はしてますよ。こいつ、大変だけど明るくしててくれて。社内も和んで……。ただ、最低限の仕事内容としては何でも屋だけど事務ですよ。」
「何でも屋かぁ。三池さんに評価されてないのはムカつくけど、言い得て妙……ですね。ま、新卒の私でも何とかなったし。」
まぁ、引っ張りだこの優なんかと比べても私の仕事は、まぁ次の人でも難なくできるだろう。
もちろん、私は自分の仕事に誇りを持っていたけれども!
「……私にもできる仕事あるかなぁ」
聞こえた方に顔を向けると、ゆかりさんはにっこり笑っていた。
「ゆかりちゃんねぇ。そろそろ昼の仕事を探そうかと思ってるのよ。」
「え?そうなんですか?え?ここはどうするの?」
「もちろん入るわよ。毎日じゃないけど。」
「昼も夜も?体壊しますよ……」
「ここは少なくしてもらうの。だって……ホラ私も良い歳じゃない?若い子が入った方がいいのよ。」
「もう~そんなこと無いって言ってるのにねぇ。でもまぁうちもゆかりちゃんが目指す生活費ほど出してあげられないしねぇ。」
ママはため息を漏らした。