浮気男に絡めとられたら(続・恋愛格差)

「スペシャルゲスト、登場~!」

ミキちゃんや私をはじめ、全員が入り口を見た。

え?

そこにはにこやかにイケメンオーラを出したスーツ姿の男が立っていた。

「藤原透子の旦那(予定)、吉岡す~ぐ~る~!」

「お、来たか、吉岡くん。」
「ご無沙汰してます、社長。」

優は社長に丁寧にお辞儀をすると、一同にもペコッと頭を下げた。

「この度は、社外の人間である私までお招きいただきありがとうございます。」

「な、なんで?」
唖然とする私に優はにっこり笑って、
「社長が呼んでくれて。俺も妻がお世話になったのでご挨拶に……とね。」

すると皆「おぉ~!愛されてるな!」とか「おめでと~透子ちゃん!」とか口々に言っているが、私の頭には入ってこない。突然の出来事で、頭が回らない。

すると私の横で
「透子ちゃんは俺と結婚するんだ!」
と誠ちゃんが叫んだ。

「誠一!なにを言ってるの!」
これまた声の上がる方を見ると、皆にお酌をして回っていたゆかりさんが青ざめていた。

「ゆ、ゆかり……さん?」
「あれ?吉岡くん、知ってるのか?あーまぁ藤原くんの知り合いだもんな。」
社長が悪びれずアハハと笑っていた。

優はゆかりさんより青ざめている。

「な、なぜ……ここに……?」
と、ゆかりさんからゆっくりこちらへと首を回した。

「あ、あの……」
優に会ったら説明しようと思っていたことがまた裏目に出たのか?

すると横にいた誠ちゃんがスクッと立って、私の前に守るように立ち塞いだ。
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