浮気男に絡めとられたら(続・恋愛格差)
誠ちゃんを睨むように見据えた優に、三池さんが
「よ、吉岡くん!相手は子供!」
そう言ってくれたが、優はゆかりさんをもう一度見てから視線を戻した。
「……そうか。なるほど。お前は電話の……」
そう言って誠ちゃんの前に腰を下ろした。
「な、なんだよ。」
「透子は仕事をやめるんだぞ。お前と結婚って……どう生活してくんだ。」
はい?何で幼児相手にそんな現実的な……。
「透子に養わせるのか?ママの代わりに?」
「…………」
「ちょ、ちょっと止めてよ!そんなこと誠ちゃんに言わないで!」
誠ちゃんのために昼も夜も仕事してることを辛く思っているのに!
「お前がしっかり勉強して、仕事も一人前にできるようになったら、その時勝負してやる。それまでは俺が養う。わかったな。」
誠ちゃんは涙ぐんで私をチラッと見た。そして「わかった。」と呟いた。
「逃げないでよ。」
「俺は逃げない。お前はしっかりやらないと、俺の足元にも及ばないからな。頑張れ。」
右腕で涙をふいた誠ちゃんは優を睨み返した。
その様子を見てミキちゃんが「素敵~!透子さんを取り合う二人の男らしい姿が見れました!」
いや、ただの大人気ない男が幼児を言いくるめただけなんですよ。
そして、
「その頃にはお前はババアだけどな!」と突っ込んできた三池さんの背中を思いっきり叩いてやった。