浮気男に絡めとられたら(続・恋愛格差)
部屋に沈黙が流れている。
何が起こってる?
さっき、お義母さまは何て言ってた?
「透子。明日、両親に会ってくれる?」
やっぱりそうなりますか……
突然だな。
だけど、これは後回しにできない。
というより最優先事項だったはず……。
「急だけど……そうだね。会わなきゃ進めないよね。」
思わず苦笑い。
そして、もう一つ、思い出す。
「……それはそうと、さっき結婚式の事仰ってたような……。」
「あー……あれね。昔から両親が、『お前たちが結婚するときは海外ですることにして、皆で海外旅行しよう!』って言ってて……。まさかそれが未だに有効とは思ってなかったんだけど……」
「…………」
「あ、俺はもちろん国内でするつもり!新婚旅行が家族団体旅行になるなんて嫌だし!……だから、大丈夫っ!」
「…………」
ホントだろうか。
優の家族ってやっぱり優に似て強引な気がする。
しかも、嫁の顔見るより先に何処でするかを先に決めようとするなんて……。
「家族って怖いね……」
「こ!怖くないよ……!ちょっと無茶なとこあるけど、俺が守るよ!絶対!大丈夫!」
今までで一番優が頼りなく見える。
不安げに見上げる私に、優はがっくり肩を落とした。
「…………あーだからもう、先に決めときたかったのに……」
ポツッと呟いた優の言葉。
「あ、だからあんなに急いで日にちやら新婚旅行やら決めようとしてたんだ……」
「……もちろん早く結婚したかったのが一番だけど。親を説得する時間が惜しかったし。先に決めてりゃ文句ないかと……ね。」
優には頭の上がらない人たちが結構いたんだなぁ。
そう思うと、その人たちのパワフルさを想像して身震いした。
ヤバイな。私、これからやっていけるだろうか……。
思わず後ずさりした。