浮気男に絡めとられたら(続・恋愛格差)
切れてしまった携帯を持って困惑している私を誠ちゃんは
「どうしたの?……電話大丈夫なの?」
と、とても心配そうに顔を歪めた。
小さな子に心配かけちゃ駄目だ。
ただでさえもいろいろと抱え込んでいるってのに。
優には落ち着いてまた話そう。
「大丈夫。お風呂上がったら……寝る?」
「うん。…………おばさん、もう帰る?」
「誠ちゃんが寝るまで居ようかなぁ。」
ゆかりさんから返信もないし。
「ほんとっ!?」
とても素直に喜ぶ誠ちゃんを見て、今は全霊でこの子のお世話をしようと思った。
やっぱり一人って寂しいもんだよなぁ。
できればゆかりさんが帰ってくるまで居てあげようと、誠ちゃんが寝転んだ横に私も座った。
「子守唄歌ってあげようか?」
「いらなーい…………どんな歌?」
「せ~いちゃんはぁ、よいこだ~ねんねしな~♪」
「暗いっっ」
「えぇ~じゃあ、ね~むれ~ね~むれ~は~は~の~む~ね~に~♪……」
「おばさん、音痴だね……ママもっと上手いよ……」
悪かったわねぇ。
そりゃゆかりさんは夜な夜な歌ってるんだからさっ!
「でも、眠れそう。」
そう言って笑って目を瞑った。
「おやすみ、誠ちゃん。」
すぐに眠りについた誠ちゃんの寝顔を見届けてから、携帯を確認した。
優からの着信はあれ以来ない。
紆余曲折のあった私達。
新たな波乱の幕開けでした。