浮気男に絡めとられたら(続・恋愛格差)
言い訳は聞いてもらえるんですか?
長丁場になるだろうと踏んで、逸る気持ちを抑え帰るなりシャワーを浴びる。
そして、今、ローテーブルに置かれた携帯と向き合っている。
優、怒ってるよね。
普段温厚なくせに、カズに暴言を吐いたぐらいだから。
「よし、女は度胸!」
携帯を手に取った。
『はい……』
「すぐ、る……?今帰ったよ……」
『……そっか。何もなかった?』
「もちろん、だよ。」
優は名前の通り、本当に優しい。
さっきカズを怒らせたのは本当なのかな、と思う。
『俺、……ごめん。透子の大事な幼馴染み、怒らせちゃった。』
こんな真摯な謝罪が出てくるなんて。
ちょっとキューンとしちゃう。
『俺が透子に会えないのに、簡単に会える彼が羨ましくて……ちょっとイラッとした。』
なんて、なんて素直なの!
『酷いこと言っちゃったよ……』
ん?なに?何を言ったのさ!
カズも詳しくは教えてくれなかったし、それが気になって仕方がない。
だけど、
『あ~……早く会いたい。今週は来ないんだよね。俺、行っていいかな。会いたいよ、透子……』
なんたるて言うもんだからつい、
「や、来なくて良いよ!私、明日行くから!」
『へ?明日?』
「うん、夜に。木曜は有給取っちゃう!明日仕事終わったら直行していい?」
『……本当に?』
「うん。だって……」
こんなに素直に気持ちをぶつけてきてくれる優に
堪らなく会いたいから。