浮気男に絡めとられたら(続・恋愛格差)
「お願い!このレジュメだけ清書して~!」
と言う三池さんの手書きの紙切れを文句言いながらもやっつけてからなのでただ今8時過ぎ。
危うく電車乗れないところだった。
それでもこんな時間じゃスーパー寄れないし!
「優にメールしておこう」
新幹線に乗り込んですぐに『今乗ったよ』と簡単メールを打つ。
そして、降り立った駅のホーム。
あともうちょっとで優に会えるんだ。
もうすぐ会える事がこんなに嬉しく感じるなんて。
「フフッ!遠距離恋愛の醍醐味~」なんて浮かれてみる。
そりゃあ近くに住んでる方がいい。
だけど、こんな風に思わなきゃ
「やってられないよね~」
「何がやってられないの?」
「うっわ!」
彼氏はなんと、改札で待っててくれました。
一週間半ぶりに会う優はやっぱりイケメンで。
姿だけなら完全な癒し系。爽やかなワンコなのだ。
そのちょっと照れたような笑顔は、このところの私のイライラを解消してくれる。
あ、スーツ……
「仕事終わって、調度時間が良かったからこっち回ってきた。」
「そ、そうなんだ!メールなかったから……」
「間に合うかわからなかったから。じゃ、行こう。」
私の鞄をさっと持って、反対の手で私の手を繋いでくれる。
9時を回った改札で、スーツはシワになっていてもくたびれ感が全くない未来のダンナサマ……
惚れ惚れするわぁ……
なんて思ってると、「透子……足動かして。」と怒られてしまった。