浮気男に絡めとられたら(続・恋愛格差)
ガラガラガチャーン!
ドンッ!ガンッッ!
何かがひっくり返ったような大音量に、一瞬で現実に引き戻された。
バクバクと鳴ってる心臓の音が喉の奥から聞こえてきそうだ。
優は身動きせず、ブラとショーツに手を入れたまま固まっていた。
あの、めちゃくちゃ恥ずかしいんですけど!
「すぐ、る……あのっ……」
と、胸にある優の手にそっと触れる。
「ごめん。」
そう言うと、スッと両手を引いた。
え?そういうつもりじゃなかったんだけど……
「ちょっと見てくる。」
そう言うと、玄関まで急ぐ。
え?これ?生殺しってやつ~~~っっ!!
呆然としてる私にドアを開けながら
「俺が出たらすぐ鍵かけて。」
そう言ったすぐ後、
開けたドアの隙間に女が走っていく影が見えた。
黒いサラサラストレートヘアを靡かせながら。
「あ」
優も肩越しに振り向いて
「万里子さん!?」
優が彼女を追いかけようと手を離した途端、ドアがゆっくり閉まっていく。
そしてバタバタと足音が遠ざかっていった。
何がなんだかわからないまま立ちすくむ乱れた服装の私の前で、無情にもカチャリとドアが閉まった。