浮気男に絡めとられたら(続・恋愛格差)
変なナンパ男

洗濯物を取り込み、優のワイシャツにアイロンをかけたらすでに夕方。

急いで優の自宅を後にする。

今日は頑張ったなぁ、私。

あ、そう言えば昨夜何があったのか聞くの忘れてた。
ていうか、聞く時間もなかったけど。

帰りの新幹線はとても速く感じる。
なんだか「速く帰れ」って言われてるみたい。

「あ~ダメダメ!」また卑屈な考えが頭をよぎって頭を振った。

そうだ。優から来てる筈のメールも確認してないなぁ。
スマホを取り出して確認。

『おはよう。昨日はごめん。もう起きた?』
『透子、まだ寝てる?』
『透子、帰ってないよね?』
『どこ?もう帰っちゃった?』

なんて、ズラリと並ぶメールの数々。
しつこいんだか過保護なんだか、それでも愛され感があって嬉しい。

いつも振り回されてるのに、連絡取れなくなったら途端にワタワタし出す優の様子を想像すると、顔が自然とニヤニヤする。
鼻唄を歌い出しそうになるのを我慢してスマホを弄っていると、……?

フイと横を見ると、反対側の窓際にこちらを凝視している眼鏡の男の人が居た。

視線は合ってるのに、彼は全く反らそうともせずにこちらを食い入るようにみている。

『なにか?』と声をかけれるほど距離は近くない。

しばらく私たちは見つめあったまま。

なんだこれ?コノヒトなに?知り合いだった?
いや、知り合いではない……はず。
こんながっしりしたラガーマンみたいな体型の人は知らない。会ったらわかるはず……。

そのラガーマンは私を見てニッと笑った。
体型とは逆に笑顔はほんわかして、くまさんみたい。
その人は新幹線の通路を越えて隣に座った。
近くで見ると、でかい!しかもなんで隣!?

身の危険を感じる私に更に顔を寄せてくる。

「百面相は終わったの?」




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