浮気男に絡めとられたら(続・恋愛格差)

「…………え?」
「さっきから目を吊り上げて頭をブンブン振ったと思ったら頷いて頷いてニヤニヤしたり?面白いね、キミ。キミの頭の中はどうなってる、今?」
「………………頭の中…?」
「そうそう。お花畑?何の事考えてたの?」

ナニ、コノヒト。

「ねぇ~教えてよ。ものすごく興味あるんだ。」

変な人だ。
絶対、変な人だ。

私はその人から目を反らして固まった。
反応してはいけない。こういう人は反応すると必ず余計に構ってくるんだから。

「あ、なに?俺の事、変な人だと思ってる?」

めちゃくちゃ思っているけど、無言で通した。

「違う違う。ちょっと仕事柄、そういうの研究してるんだ。俺、男だから女の考えわからないし、だから!」

……なんだよ、仕事柄って!
まさか、その成りでホストとか?

それとも心理学者……?

どっちも無さそうだが、それにしても怪しい。
とにかく関わらないに限る。

「今日も仕事で横浜まで行くんだけど」
そう言われてチラッと彼を一瞬見た。
赤と黒のチェックのシャツとジーンズ。上着は自分の席にあるようだ。
それにしても物凄いラフな格好ですけど。

「……仕事ぉ?」
「あ、喋ってくれた~」

しまったぁ!つい、心の声が漏れてしまった。

「なんか、こういう出会いもアリか。」

なんですと!?

「こういう感じで恋が始まる~」

横でクックッと笑う男に、悪寒を感じて荷物を持つ手を強めた。 

怖い。
この人、かなりヤバイ。

どうしよう。優……
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