浮気男に絡めとられたら(続・恋愛格差)

次の日、帰ってきたのはお昼すぎだった。
保育園に行きたくないと駄々をこねる誠ちゃんを宥めて、ようやくお昼前に私が送っていったのだ。
ゆかりさんは昼のアルバイト。
本当に忙しい。

「少しでも貯金したいし。」
て言ってたけど、
その時間があったら誠ちゃんと一緒に過ごしてあげてほしいと思うのは他人の勝手な希望で。
ゆかりさんにしてみれば、何かあったときに頼りになるお金は少しでも多い方がいいのだろう。

ゆかりさんの気持ちもわかる。だから、私は午前中いっぱい誠ちゃんと話をしたり遊んだりしたんだ。

子供と遊び慣れていない私は、帰ってくるとすぐぐったりとベッドに寝転んだ。

「……疲れた……」

先一昨日は仙台、一昨日は夜帰ってきて昨日はゆかりさん家。

「そりゃ、疲れるか」

ベッドの上でうーんと伸びをしてみた。
今日は土曜日。ゆっくりしよう。
そして溜まった洗濯物や冷蔵庫の掃除もしなくちゃ。
その前にお昼寝……

でも目を閉じると、さっき別れ際の寂しそうな誠ちゃんの顔がよぎる。
きっと彼は今晩も一人なんだろう。

「寂しいだろうな」
ポツンと呟いた。

私だって優と別れた後は寂しいと思うのに、あんな小さな子なら尚更。昨日一人じゃなかった分、余計にそう思うだろう。

「…………」

目を瞑ってもゴロゴロしても眠気はやってこなかった。



「よし」

勢いよくベッドから出ると、精力的に動いた。
掃除も洗濯もアイロンかけも全部終えて、私はまた少し大きめのバッグに荷物を積めて家を出た。
< 47 / 130 >

この作品をシェア

pagetop