浮気男に絡めとられたら(続・恋愛格差)
最終電車に飛び乗って帰ってきた我が家。
もちろん誰もいない。
真っ暗な部屋に電気をつけ、少し暑かったので窓を開けた。
優に連絡もできず、ボーッと外を眺める。
ただ、ベランダの柵とその向こうのマンションの壁が見えるだけの景色。
もし、仕事をやめて優と一緒に住んだらこんな気持ちは無くなって毎日穏やかに過ごせていけるのかな。
そうは思うけれど優はここにはいないし、こんな夜中に電話するのも気が引ける。
こんなとき
「寂しいから」なんて迷惑も省みず恋人に電話できる人間だったら楽だろうな。
優はきっと会社でも大事にされてると思う。それは優の努力の賜物。
それは私の自慢にもなるのだけど、やっぱり優の傍にいるとどうしても自分の不甲斐なさに自己嫌悪することが多い。元々のスペックも私と優では格差がある。
「あ~ぁ……今すぐ美人のキャリアウーマンになれないかなぁ。」
溜め息を一つついた。