浮気男に絡めとられたら(続・恋愛格差)
結局優には会わずにマンションの外階段をふらふらと降りる。
昨日と今日となんて日が続くんだろう。
まさか優が万里子さんを妊娠させているとは。
そうなると去るべきは私じゃないか。
優だって「ちゃんとする」と言っていた。
私は優と離れなくちゃならない。
私はここでも用なしになってしまった。
崩れそうになる膝を励ましながらトボトボと歩道を歩いていると、
「あれ?」
惚けた声が前方から聞こえた。
ぼんやり顔をあげると、木嶋さんが歩いてきていた。
「偶然!いや、運命だね~!」
とっても嬉しそう。
私はこんなに落ち込んでるのに。
だけど、私に会えてこんなに喜んでくれる木嶋さんを見て胸が潰れそうだった。
「どうしたの?泣きそうな顔して。」
「ん?」とまた顔を覗き込んでくる木嶋さんの優しい態度に、私の涙腺が決壊した。
「う、き、木嶋さ~~ぁん!」
「うぉっっ!」
私は年甲斐もなく泣きながら抱きついた。
知らない土地で知った顔に優しく話しかけられる事がこんなに心強く感じるなんて。
「な、なにっっ?ど、どうしたのっ!」
「ウワァ~!」
余裕もなく泣きじゃくった。