浮気男に絡めとられたら(続・恋愛格差)
「着信拒否までして生意気なガキに煽られて、俺がどれだけ焦ってここに飛んで来たかったかわかる?」
「…………それは……ごめん。」
「離れてるんだから、内緒事や着信拒否されたら俺達どうしようもないだろ?
なんでも話してほしいんだ。それだけ。」
「…………でも」
私はぎゅっと両手を握った。
「でも?」
「話したら優は怒るし、拒絶する。」
ゆっくり顔をあげて優を見た。
「透子?」
「カズと飲んでる時だって、何を言ったか知らないけど、あの後カズは物凄く怒ってた。優は私が自分以外の人といるのは嫌なんでしょう?」
優は何かを思い出したようで、気まずそうに視線を落とした。
「あれは……ごめん。あいつ、どうしても透子を狙ってるとしか思えなくて……」
「あのとき、カズとカズの彼女と飲んでたんだよ。」
「そ、そうなのか……?」
明らかにホッとしたような優に少し苛ついた。
「でも、二人きりだったしてもそんな関係じゃないの。何で信じてくれないの?優だって、優だって万里子さんと!」
「……万里子さん?」
とぼけた顔をしていた。
「万里子さんと四六時中一緒にいるし、先週だって……一緒にいたんじゃない?」
「……そりゃ一緒にいるけど。仕事だし……」
「仕事以外でも一緒にいるでしょ?隣なんだから休みの日だって……」
「……休みの日……は一緒にいたことないよ。」
優は
思い返しながらゆっくりと呟いた。
……また嘘ついた……。
劣勢になっていく優。
逆に問い詰める立場になった私は、喜んでいいものか。
この後の展開を思うと、目頭が熱くなった。
「と、透子……?」
涙が一粒零れたのを見て、優は焦り始めた。