浮気男に絡めとられたら(続・恋愛格差)
寂しい平日
「来ないなぁ……」
「何が来ないんです?」
私の心の声が漏れていたようで、それを聞いていたミキちゃんは伝票を作成しながら訊ねた。
「はっっ!まさかっ!来ないって……生理が?」
「ちっ違うわよ!募集した人よ!私の交代人員よっ!」
「あ、なんだぁ……ビックリしたぁ。」
私の方がビックリしましたけど……
「確かに来ないんですよねぇ……」
「何が来ないって?」
後ろに三池さんが立っていて、これまたビックリした。
「ちょっと!コッソリ後ろに立つのは止めてくださいよ!斬りますよ!」
そんな私を完全にスルーした三池さんは口許に手を当てて、
「えっ?まさかっ!来ないって……生理?」
あんたら……間違いなく血が繋がっていますね。
返事する気にもなれずに何気なく視線を反らすと、
顔を赤くした社長が立っていた。
社長もいたの!?
「はっ‼違います!違いますよっ、社長‼」
何故すぐに否定しなかったのか後悔しながら言い訳をしようとすると、
「いいんだ、いいんだ。はやく退職させろって吉岡くんにも重々言われてたんだ。そっか……そういう事か。」
すーぐーるー……余計なことを……
顔を赤くしたままデスクに向かう社長を呼び止めた。
「だから!違うんですってば!」
「まぁ妊娠の可能性はは無きにしもあらず、ですけどね。」なんて無責任なことを言うミキちゃんのせいで、誤解がとけるのに結構な時間を使った。