浮気男に絡めとられたら(続・恋愛格差)

黙っている私を肯定ととったのか、優は物凄く上機嫌で私を抱き締めた。

「透子~……」

私は釈然とせず、身を固くしたまま。

「俺は嬉しい。ヤキモチを焼いてもらうのってやっぱ最高。」
「……でも日曜は休みでしょ。休みの日に万里子さんと会わないなんで嘘じゃん。」
「あの日、ミーティングあるって言ってたじゃん。あのあと……結局いろいろ揉めて夜になったんだけどミーティングしたし。」

あー言えばこー言う。
ほんと、口では勝てない。

再び優に抱き締められながら、どこかに突破口は無いかと考えていた。

優はそんな私の頭の上に顎を乗せて呟いた。
「俺さぁ……やりがいはあるんだけどさ、あの会社ややこしくて……。万里子さんの独壇場なんだよね。だから万里子さんが出産が終わるまで仙台に居たいって言われたらどうしようもなくて。約束が違うって言ったって、妊婦に無理させられないのが現実で。」
「万里子さんは結婚してる、の?」
「してない」
「…………付き合ってる人の子、なんだよね?」
「もちろん」

よ、よかった~……
「じゃあ、その人と結婚するんだ!」
「……わからない」

な、なんで?
「何か結婚できない理由が!?まさか、不倫……?」
「何の問題もないんだけどねぇ。なんか、ハッキリしないカップルで……」
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