浮気男に絡めとられたら(続・恋愛格差)

マジか……マジですか……

あの木島さんがまさかの万里子さんの彼氏……
なんて世間は狭いんだ!
めちゃくちゃ身近な四人で揉めてることになるじゃないか!
あり得ないぞ!

とは思ってみても、これは事実。

と言うことは……浮気相手って……私か!

よ、よかった……あの時、なし崩しにならないで……
そんな事になった日には、優と別れるどころか、万里子さんに慰謝料請求されてるわ(結婚してないけど)!

これは、まずい。
万里子さんに説明しないと、二人は揉めたまま。
だけど、どう説明する?優に。

優をチラッと見ると、怪訝そうに私を見つめていた。

「どうしたの?……とりあえず俺の疑いは晴れた?」
「え?あ、うん。」
「……なんか、どうでも良さそうに見えるんだけど……」
「いや!ううん!そんなことないよ!……ただ、万里子さんの体が心配だな、と……」
「まぁね。それにしても木島さんも彼女が来るマンションに女を入れるなんて……何考えてんだろうなぁ。」
「そ、そうだね!……え?マンションに?」
「そうだよ。マンションに行くと、裸で抱き合ってたんだって。決定的だろ。どうやって取り持つかなぁ……」
「裸!?まさか!そんなっっ!!」

慌てて否定して、ハッとした。

目の前の優に、蕩けた笑顔の欠片が微塵もない。
悪魔降臨。

氷点下の冷たい視線が突き刺さる。

「さて、どういう事かな」
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