浮気男に絡めとられたら(続・恋愛格差)
優はコトンと携帯を置いた。
そして静かに私を諭すように言葉を続けた。
「確かにあの人は明らかに草食系だ。だけど、ヤツも男だろ?忘れたの、前にひどい目に遭ったの。」
私が強姦に襲われそうになったことを思い出した。
目の前の優もそれを思い出し、悔しそうにしている。
「……ごめん」
素直な私の反応にやや満足したのか、優も落ち着いた。
「俺も透子を放ったらかしにして、会いに来てくれた透子に変なとこ見せたのは、本当に悪いと思ってる。
万里子さんの私生活が上手くいかないと、俺の計画も上手くいかないって焦ってた。ごめん。
だけど、木嶋さんに抱き締められたとか……もう、勘弁して……」
と、頭を抱えた。
「俺が居ないところで、ゆかりさんや生意気なガキや幼馴染みと楽しくやってて、物凄い嫉妬した。」
勝手に仙台に移り住んでおいて、本当にひどいヤツなんだ。酷いんだけど。
「俺が!俺が一番透子と一緒に居たいのに!」
なんて可愛いことを言う男なんだろう。
不満も疑惑もすべて昇華されてしまう。
「ごめんね、優。疑ってごめん。木島さんのマンションなんかに行ってごめん。」
「透子……」
潤んだ瞳で見つめられたとき、再び私のお腹がぐぅ~っと鳴った。
あぁ……ほんとに空気読めよ……
だけど、その音を聞いて
「やっぱり、透子だ」
と笑ってくれたから、…………まぁいいか。