浮気男に絡めとられたら(続・恋愛格差)
仲直り?できた私達は、二人で食事を作り膝を付き合わせて食べた。
最後の晩餐にならなくて良かった。
目の前のゆったりとした笑顔の優を見ると、本当にそう思う。
あとは、木嶋さん達をどうにかしないと。
私たちだけ丸く収まっては申し訳ない。
だって最終的に揉めた原因は、私だ。
だから
「明日、仙台に行こう。」
そう告げた私に、思ったのとは違う返答が返ってきたのに調子が狂う。
「ヤダ」
「え?なんで?私、ちゃんと万里子さんに説明するから。」
「抱き合ってたのは事実でしょ?万里子さんはどう思うかな……?」
「…………」
「あの二人は学生時代から付き合ってるし、今すれ違ってるのはもともと二人の性格上の事。その上で他の女をマンションに上げた事、抱き合ってた事、なんて説明すれば納得させられる?」
「…………だけど」
「木嶋さんだってもしかしたら透子と……そんな気持ちがあったのかもしれないだろ。あー……言っててムカつく。
とにかく結局は二人の気持ち次第なんだよ。俺たちもそうなんだから。」
だけど。
援護する人が必要な時もある。
長い付き合いで、お互いが素直になれないなら尚更。
木嶋さんみたいにのらりくらりしてる人には、特に。
「俺は、今から明日にかけて透子とイチャイチャしたい。」
そう言って私の頬を手の甲でそっと触れた。
私はその手を払いのけた。
「優!だけど!私は自分達だけ幸せになるのは違うと思う!」
「……透子……」
はぁ、と溜め息をつかれた。
「木嶋さんは圧倒的に女性の……人の気持ちがわかってないと思う!それをフォローしてあげないと!万里子さんだって、浮気してると決めつけてたら何にも耳に入ってこないよ!浮気相手の顔も見えないんだから、余計に!」
黙ったままの優に指を突きつけた。
「今すぐ電話して。木嶋さんに。」