浮気男に絡めとられたら(続・恋愛格差)
「なんか……木嶋さんを理解してる透子に少々ムカつくんだけど。」
そう言って私の頬をつねる。
「イタタ……木嶋さんなんて単純でしかも意気地無しで女の敵なんだから!万里子さんがマンションから走って出てった時、木嶋さんを蹴っ飛ばして追いかけさせたんだよ。追い付けなかったみたいだけど。それがまたダメダメだよね!」
なんて、自分のしたことを棚に上げて、優のポイントを稼ごうとしている自分は狡い。
「だけど、ダメすぎて放っとけない。私も助けられたし。」
「透子の母性本能か……あーぁ。それも俺のものなのに。」
諦めたように食器を重ねてシンクへ運んでくれた。
「仕方ないな。明日仙台に行くか。だけど今日は電話しない。今日は透子の全部、俺のものだから。」
そう言って、洗い物もせずに私を押し倒した。
「え?いや……せめてシャワーしようよ……」
「ダーメ。明日は透子のワガママ聞くから、今日は俺の言うこと聞いて。」
ワガママって……ワガママなのか?と思ったけれど、そのあとすぐに久々の優の愛に溺れて、思考は停止した。
一刻も早く木嶋さんと万里子さんの関係修復をしたかったのだが、それよりも私たちの関係を揺るぎないものにすることに専念するはめになった。