浮気男に絡めとられたら(続・恋愛格差)
未定

寝たのは夜明け前。
そして今は日曜の3時。

……どうすんのよ!
私、明日は東京に戻って仕事なんですけど!

「もう!こんなに遅くなって~!」
「ねぇ……透子さん、寝かせてくれないから~」
「私じゃないでしょ!」

私はプンスカ怒りながら仙台の町を優の家に向かって早歩きしている。弱冠、腰は重たいのだが。

隣の優はそんな私を見て、至極楽しそうだ。

「……何笑ってるの?」
今から長丁場になるだろう時間を気にして焦ってるのにニヤニヤと。

「ん~?だって隣に透子が歩いてる」

眉間にシワを寄せたまま真っ赤になる顔を背けた。

「俺たちのわだかまりも無くなったし、体も心も充電完了~ってとこ。」
「な、何言ってんの!まだ山場は越えてない!」
「ツンデレ透子、最高~」

くしゃくしゃと頭を撫でられた。

「ツンデレじゃない!あの二人が拗れたままだと私達の未来は無いんだから……」
「了解」

ほんとに嬉しそうな優を見て、私は今まで何を見てきたんだと思う。
離れていると寂しさが勝手に想像が暴走させて、とんでもない所に私を追いやってしまう。

やっぱり側に居たい。

そんなことを思った一夜だった。

今から会うはずの二人は、いつも顔を付き合わせているのにすれ違ってばかり。
だけど、お互いを思う気持ちがあって、かけ間違えたボタンをひとつ直せばきっと元に戻れる。
そう信じて万里子さんの家のベルを鳴らした。
< 88 / 130 >

この作品をシェア

pagetop