空から雨が降る日。【完】



きっと空雨にあんなこと言われなかったら、あの時の私はきっと一緒の大学に入って…と空雨の後ろをついていっただろう。


だけどそれじゃだめ。

それは空雨が教えてくれたこと。


だから―…

「この会社に入ってよかったって思ってます」

どんなに苦しいことがあっても、どんなに嫌なことがあっても、やめたい時があっても、空雨を思い出して心で思う。


私、頑張ってるよ。

って。



空雨が死んで、自分勝手ながら空雨は私を見ていてくれてるって、そう願っていて。


怒っている、私を許していない。
そうわかっていても、きっと空雨は…って心で願っている。
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