空から雨が降る日。【完】



「へぇ。じゃあお前にとってそいつは全てなんだ」

「…全て…。うん、そうかもしれない」


過去を思い出せば、思い出には全て空雨がいる。
楽しい思い出、悲しい思い出、辛い思い出…何もかも全部。


「…でも、自分の手でそれを、壊しちゃいました」


笑っている顔、泣いている顔、怒っている顔。
今でも頭にすぐに浮かんでくる。なのに―…

「私が…っ壊した…っ」


いつも、真正面からぶつかってきてくれる空雨を

遠ざけて、苦しめて



…殺したのは、私だ。


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