空から雨が降る日。【完】
それから私は、なにも言えずただ、ただ泣いていた。
そして、
「すみませんでした。」
何時間泣いたのか、わからない。
だけど吾彦さんは何も言わず話しを聞いて、傍にいてくれて。
「別にいいよ」
「あ、…じゃあ…」
苦手だったのに、なんでか彼が傍にいて話すと安心して。
「…っ雫!」
吾彦さんに背中を向けて歩きだそうとした瞬間、
名前を呼ばれ、気づけば背中が暖かいものに覆われていた。