空から雨が降る日。【完】
*~Ⅴ~*
あれからすぐに、優子は私の家に駆け付けてきてくれた。
ピンポーン
リビングでうずくまっていた時に部屋中に鳴り響いたチャイム。
誰か、なんて言わなくてもわかった私は俯いたまんま玄関に向かってドアをそーっと開ける。
「しずく…っ!」
やっぱり予想通り、そこにいたのは息を切らせて汗をかいている優子の姿で。
「…ゆう、こ…っ」
私ははじめて、友達の前で涙を流した。
「…今日、会社休もう」
玄関で、優子に抱き着きながら泣きじゃくっていた私を無理やりリビングにつれてきてくれた優子は携帯を取り出して、どこかに電話をかける。
「あ、すみませんあのー…」
行かなきゃいけない。
その気持ちはあるものの身体は動かなくて心は嫌だと叫んでいて。
正直優子が電話してくれていたことに、助かっていた。
「大丈夫だって。お大事にって上司が」
「…ありがとう、優子」
こうやって友達に傍にいてもらったり、友達の前で泣いたりするの初めてだから戸惑いながらも、ニコリと笑みを浮かばせる。