空から雨が降る日。【完】
優子と出会ったのは、入社式の時だった。
一人で会社のパンフレットを読んでいた時に優子は隣から声をかけてくれた。
『ねえねえ』
『…?』
最初の印象は、なんだろうこの子って思うくらいTHE・女の子って感じで。
『私、優子っていうの。優子って呼んでね!』
『あ…はあ…』
友達を作るのが苦手な私はただ頷くことしかできずにいた。
それから、部署が決まって優子の姿を見た時に、うわ…と思ったのも覚えている。
正直私はTHE・女の子っていう子が一番苦手だった。
…男には好かれていそうな女子が。
キャピキャピしているのを見てるだけでうわぁ…てなる。
だから極力関わらないようにしようって心がけていた。なのに、
『ねえ一緒にお昼食べよう!』
『雫―…ここわかる?』
『うわ…っどうしようまた怒られる…っ』
『雫~~…』
優子はそんな私を逃がさないかのように、いつも傍にいた。
『振られちゃった…っ』
優子みたい、見た目が可愛ければ男なんていくらでも選べるのに彼女は本当に純粋で…一途で。