空から雨が降る日。【完】
いつだって優子の話をうんうん、と頷いて耳を傾けて。
だけど優子が求めていたのは、聞き相手じゃない。
お互いに、話せる相手。
“友達”
それが欲しかったのは優子だけじゃない。
「私じゃ…っ頼りにくのは…っぅ…っわかってる…っ」
鼻水をずずっと、啜りながら発する言葉。
私は、そんなことない、そんなことないよとぎゅっと抱きしめる。
昔から友達は空雨しかいなくて。
周りを見渡せば、オシャレの話テレビの話、好きな男の子の話。家族の話。色んな話をしている子達がいた。
空雨だけでいいもん。
だけど本当は羨ましくて、そんな関係を憧れていて。
優子はずっとその関係を築こうとしてくれていたのに、
…逃げていたのは、私で。
「優子、…わたしねっ…」
だけどそんな私を見離さないで傍にいてこうやって駆けつけてくれる。
私は優子から少し離れ、目を見て口を開いた。