空から雨が降る日。【完】
それは私が高校三年生。
空雨が死ぬ、前日だった。
その日も空はどんより雲がかっていてじとーっとしていた。
学校から帰ろうと家路を歩いていた時空から雫がポツポツと降って来ていた。
『うわ…傘ないよっ』
最悪だ、と思いながら鞄を頭の上に乗せながら私は走った。
そして病院に着いた時にはもう髪から靴まで。全身がびしょびしょに濡れていた。
『あら雫ちゃん…っびしょ濡れじゃない』
『あ、こんにちは~。いやぁ急に雨が降ってきてびっくりしましたよ』
そういえば朝お母さんに傘を持っていきなさいとか言われたけど大丈夫大丈夫。とか言って持ってこなかったんだった。
…素直に言うこと聞いておけばよかったかな。
私は看護士さんにえへへへと笑いながら空雨がいる病室へ向かおうとする。
『あ、まって!タオル貸してあげるから』
『え、いいよ~。空雨が持ってるし』
看護士さんは病院にあるタオルを渡そうとしてくれるが私は空雨の部屋にあるのを使うよと言って断った。
どうせ持って帰るの私だし。
そしてびしょ濡れのまま、ガラっと空雨の病室を開けた。