空から雨が降る日。【完】
『雫?』
不思議に思った空雨が私の顔を覗き込んでくる。
その瞬間、ピカッと光った外。
『『うわ…っ』』
気付けば二人して、肩をビクッと驚かしていて。
『ビックリしたな』
『…はは、だね』
そう言って、微笑み合う。
もうその後にはさっきまでの雰囲気はなくなっていて、もっと自分の気持ちを出すことができなかった。
そして―…
『病気の彼氏って大変そうだねぇ…』
不覚、だった。
テレビで流れていた感動ものの番組をみて放ってしまった言葉。
それはしっかりと、空雨にも届いていて。
『あ…、』
気付いた時にはもう、遅くて
『はは、だよなあ』
そう言った空雨の顔は今にも泣き出しそうで苦しそうで。