空から雨が降る日。【完】



やってはいけないことで、空雨を傷つけた。

そう、思った。


「その次の日、空雨は死んだんだ」

「え…それじゃあ…」

「うん。自分の気持ち結局…伝えられなかった。」


空雨が死んだ時、後悔した。

じゃあねと言って出た病室。
家路を一人歩いて、明日謝ればいいやと思った。

だけどその明日が、空雨に謝る明日が来なくて。

泣いても、泣いても
『ごめんね』と『好きだよ』
その言葉を言える日は来なくて。


「だから、恋ができないの。怖いの…恋も、空雨も。」

自分だけが幸せになんてなれない。
空雨を傷つけておいてそんなことできない。

そう、思ってしまったの。

「だけどそれは別に…っ雫のせいなんかじゃ…っ」

「うん、そうだよね。そう。空雨の身体の容態が悪くなっただけ。それはわかってる」

自殺したわけでもない。夜中に空雨の体調に変化があった。


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