空から雨が降る日。【完】



だけど、

「空雨はどんな気持ちだったのかな…」

「え?」

「どんな気持ちで苦しがってたのかな。何を思ってもがいていたのかな」

ずっと一緒にいた。
何を言われるのが嬉しいか、何を言ったらダメなのか。
そのくらいわかっていたつもりだったのに。

「なんで空雨は…っ泣いていたのかな…っ」

覆いかぶさっていた白い布をあげた時に見えた空雨の頬にあった涙の後。
それが何を表していたか、なんて私にはわからない。

ただ、

「空雨を傷つけたのは私なんだ…っ、」

最後の最後、空雨を泣かせたのも、きっと私で。


私は空雨にとって、最悪の存在になったことは間違いなかった。

< 166 / 311 >

この作品をシェア

pagetop