空から雨が降る日。【完】


―――――…



――…

それから私たちは真っ赤に膨れ上がった瞼をみてお互いに笑った。

「雫、やっば!」

「優子だって、凄い腫れてる」

「きゃーはずかしっ!お外にでれない~」

「ふふっ。…楽しいな」

昔から家にいるのは私と空雨だけだったから。
こうやって他人が来ることなんてなかった。だから今、凄く、凄く楽しい。

笑っている優子を見て、自然に笑みが零れる。

「うん、やっぱり雫は笑ってた方が良い」

「え…?」

「可愛い!ってこと!」

不意に言われたことにえっ、っと声を出す。

「あ、ねえ!今日泊まっていってもいい!?」

「泊まり?」

「そうお泊り!」

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