空から雨が降る日。【完】
なぜか目をキラキラさせている優子に私は「い、いいけど…」と言う。
そう言うと凄く喜んで「やったー!」と腕をあげる。
そんなに、喜んでくれるなんて思ってなかったからびっくりしつつも笑顔になる。
「私、お泊りはじめてなんだだ」
「え?そうなの?」
私がそう言うと目を見開いて尋ねてくる優子。
「うん、はじめて」
「じゃあ一緒だ!」
「え?」
「私もはじめてなんだー!お泊り」
「うそっ」
「ほんと!前、言ったでしょ?私こういう性格だからお友達少なかったの。
一緒にいてくれる人はいても心から信頼して繋がれる子は一人もいなくて。だから遊ぶこととかお泊りなんて夢のまた夢だった」
男の人から、可愛いと言われることはが多い優子は、男の人については選び放題だった。
あ、…そっか。優子も優子で、苦しんでいたんだ。
「私たち、もっと話そう」
「雫?」
「もっと、自分曝け出す。大丈夫、優子なら私大丈夫だ。」
友達が欲しいくせに、どこかで壁を作っていたのは私だったんだ。