空から雨が降る日。【完】
そう思うと、ばかだなって笑えてくる。
「うん、もっとさらけだそう!」
そんな私にうんうんと頷いて、お茶をグビッと一気飲みする。
そして、
「よーし!出かけよう!」
目の腫れを取り、元気になった優子はガッツポーズをしながら床に足をつき立つ。
「え?」
「出かけよう!気分変えなきゃ!」
無理矢理私を立たせて部屋に連れていかれる。
「あ、これ可愛いじゃん!」
そう言ってタンスから勝手に取り出してきた服をみて「あ…」と声が漏れる。
だってそれは、
「空雨が選んだ、やつ…」
前に無理矢理付き合わせた買い物で、空雨が私にって選んでくれた服。
空雨が生きている時に着たのはたった一回だったけど。
「じゃあこれ着て」
「え…」
「どんな些細な思い出も良い思い出に、変えていこうよ!」
良い思い出。
それがどうやったら変わるのか私にはわからなかった。
だけど、こうやって一つずつ、私が行動することによって変えていけるのなら。
「わかった!」
私はそう答えてその服に腕を通した。