空から雨が降る日。【完】
「いらっしゃいませー」
「二人で」
「かしこまりました。では、こちらへどうぞ」
店員さんに案内された場所はお店の中の一番端。外が見える良い席だ。
「うわぁ…おいしそうっ!バナナもいいなぁ…あ、でもチョコもいい…えぇぇぇどうしようっ」
メニューを見ながらよだれを垂らして、目をきらきらとさせる優子。
やっぱり、女の子なんだな。と、笑みが零れる。
「雫は?決まったの?」
お水をひとくち、ふたくちと飲んでいると見せられるメニュー。
そこに書かれていたメニューは覚えられないほどの量があって。
「お、おすすめは…?」
あまりこんな女の子っぽいお店にこないから、決められるはずもなく。
「んー…私的にはバナナか、チョコ?あー…決められないよぉ!」
人には聞いてきたくせに、自分が決められなくて格闘している優子。
「あ、じゃあ、私チョコ頼むよ!優子バナナにしたら?半分こしよ?」
それと同じで私も決められるわけなく、良い案だと思い提案してみる。
するとみるみるうちに優子の目はキラッキラになっていって…
「もう!雫天才!彼氏みたい!そうしよう!よし!決まりだ!」
一つ一つの区切りにビックリマークが見えるほど…テンションがあがっているのがわかった。