空から雨が降る日。【完】
『うん、そうだね』
私も怖い話は大嫌いだから、入らないようにしようと心がけていたのに。
だけど、
あいつは違った。
『…おい、しずく!』
あれから部屋に戻ってみんなでトランプなどをして遊んだ。
だけど唐突に睡魔が私を襲うから、眠くなってしまって寝てしまったんだ。
そして名前を呼ばれて眠たい目をごしごし腕で拭いながら目をあける。
すると、私の上に跨って名前を呼んでいたのは、空雨で。
『んん…あめぇ…?どうしたの?おしっこ?』
幼稚園生にもなって一人でおしっこもいけないのか…可哀想だなぁと思いつつ仕方なく起き上がる。
すると空雨は、
『ちげえよ!ほら、いくぞ!』
なぜか笑顔で私に手を差し出す。
私は…ん?と理解できない頭を傾げ、差し出された手に自分の手を重ねた。
『わ…っあめっ…!?』
勢いよく立たされて声をあげる。すると、しー!と目の前で人差し指を口にあてる空雨。
私たちはそーっと…そーっと音を立てないように部屋を出た。
何もわからない私。
空雨は私をどこに連れて行く気なんだろう。
しかも、なぜかタオルまで持ってる。
…え、タオル?
…待って。まさか。
そのまさかは、予感的中、だった。