空から雨が降る日。【完】
「そういえば今日たくさん空雨くんのこと聞きました!」
「あら!雫から?」
「はい!すっごく幸せそうに、話してくれて…。ね?」
「ゆう、子…」
「だーじょうぶだよ!ね、雫」
空雨の話をして、よかった…のかもしれない。
こんな空気になっても優子は私を支えてくれる。
私は「そうだね」と言い、最後のお赤飯を口に運び、箸を置いた。
「やったー!ベッドだーーー!」
ご飯も食べ終わり寝る準備ができた私たちは私の部屋に行って布団へ寝転がる。
「ねえいいの?ベッド使っちゃって」
「いいよ全然。お客様だもん」
「へへーじゃあ遠慮なく~」
ゴロンと寝転がる優子。
私も下に引いた布団にドサっと沈んだ。
「あ、ねえこれが空雨くん?」
二人とも寝転がって数分が経ったとき、頭上から声がして顔をあげるとこれを示していたのは、机に飾っていた、空雨と私の写真で。
「あ…うん、そう。それが空雨」
私は静かに頷き、写真を見上げた。