空から雨が降る日。【完】
*~Ⅵ~*
朝。
目をあけるとそこにあるのはいつもと違った朝だった。
目が覚めて外を見ると、小鳥がちゅんちゅんと可愛く音を立てて鳴いていてカーテンを開けるといつもある空には雲一つない、真っ青な色をしていた。
いつも通りの一日がはじまる。
そう思って重たい腰を上げた途端、昨日のことを思い出した。
「あ…そっか…優子、」
いつも寝ていたベッドを見るとそこに寝ていたのは私ではなく、優子で。
泊まったんだ。
と、思い出した。
「優子―起きて~朝だよ」
いつも優子は何時に起きているんだろう。と思うくらいに携帯の目覚ましもなる気配がないし、起きる気配がなくて。
必死に身体を揺らして、目を覚まさせる。
だけど一向に起きる気配はない。
え…!もしかして優子、寝たら起こすの大変な子…?!
そう思ってからはもう、必死。
私はご飯を食べるよりもぎりぎりまで寝ていたい派だから、目覚ましをかけているのもぎりぎり。
というわけは、もうさっさと支度して家を出ないと間に合わないわけで。
「優子―!!!遅刻しちゃうよ!!!」
もうこうなったら最終手段だ、と私は優子をベッドから引きずり落とす。
その瞬間床に頭を打った優子が頭を抑えながら起き上がった。
「ぅ…ぃったぁ…なにぃ…」
なにが起こったのか理解できない優子はあたりを見渡して、え?え?と声を出す。