空から雨が降る日。【完】
*~Ⅰ~*
朝目が覚めてギシッと音を立てながらベッドから下りる。
顔を洗って、歯を磨いて、身支度を済ませる。
リビングに置いてある冷蔵庫にかかっているカレンダーをみて、あ…と声を漏らした。
そしてすぐに私は家をでて、すぐ隣にある家に入る。
「…」
目の前にある、仏壇に手を添え目を閉じる。
もう、4年。か。
「じゃあおばさん。行くね」
お線香をあげ終え、朝ごはんの用意をしていたおばさんに声をかけて鞄を持ち、外に出た。
そして、仕事へ向かう途中の道。
「まってよー!」
「はやくこいよー」
小さな男の子を同じくらいの女の子が追いかける。
そんな姿をみて、ふふ、と笑みが零れてくる。
私たちにもあんな頃があったなあ。
それは、ふと思い出す日常。私の記憶。
それはもう私の頭の中にしか、残っていない記憶―…