空から雨が降る日。【完】
「ねえ何食べたい?」
「んー…肉?」
「お、一緒のこと考えてた!…てことは?」
「「焼肉!」」
事務所を出てすぐ、向かい合って人差し指を立てる私たち。
その声は見事に重なって。
「っぷ!…っあははっ」
「あははっ!重なったね」
「ねっ。よーしじゃあ今日は焼肉だ!」
「行こうー!」
そう言って肩を組んで、腕をあげ、私たちは近くの焼肉屋さんへと入った。
「ビール追加で」
入って一時間。もう何杯目?と思うくらい優子はお酒をぐびぐびと飲む。
あぁ…これはまたなんかあったな。
そう思いつつ目の前に焼かれているお肉をひっくり返す。
「ほら、優子お肉は?」
「食べるよ!もちろん!」
ほれほれ、よそれと言ってるかのようにお皿を私に差し出してくる。
「はいはい…」
私は言われるがままお皿に焼いた肉を乗っけていく。