空から雨が降る日。【完】



部屋に入って優子が「どうしたのよ」と少し落ち着いた私に声をかける。

「ん、これみかんゼリー。食べれるものわかんなかったから」

といって出された袋。

私は「ありがとう」と言ってその袋を受け取る。


「話したくないのなら話さなくてもいい…けど、空雨くんのことなんじゃないの?雫の涙の理由」

全て、勘付いているのではないか、と思うくらい勘がいい優子。


私はただ黙って、首を縦に動かす。

きっと隠せない。自分の中でどうすればいいのかわからない。答えが見つからない。

私はゆっくりと口を動かした。


そして


「空雨と…晴太、友達、だった」


さっき笠原さんに聞いたことを、ゆっくりと言葉にした。

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