空から雨が降る日。【完】



いつだって空雨は私の隣にいた。

それはどこに行くにも…同じ。
空雨が友達で遊ぶときにも、彼は私を連れていってくれた。


『雫!こいつ俺の友達の晴太!入院してんだって!』

ある日空雨のお見舞いに行くと、そう言って連れてきたのは片足を怪我していた小さな男の子。


『はじめまして。雫っていうんだよね。よろしくね雫』

なんで私の名前知っているのかなぁ…て確か考えてたっけ。
でも多分空雨が話していたんだろうなって、今ならわかるよ。

『友達になったからさ、雫も友達な!』

そう言って空雨は無理矢理その子と私の手をくっつけさせて握手を交わす。

『…よろしく』

不愛想な挨拶。


それから少しの間だったけど、三人でたくさんのことをしてた。
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