空から雨が降る日。【完】
「今度は、逃げずにね!しっかり伝えるんだよ!…雫っ」
部屋を駆け出し階段を降りる。
すると上から聞こえてきた声に私はばっと振り向いた。
「素直に、なりなさい!」
その言葉は、私の胸に響いて入ってきて。
あの頃言えなかった想い。
素直になれなかったこと。
全部全部後悔して生きてきた。
あると思っていた明日が、ある日突然姿を消して。
当たり前なんてない。
後悔したらもう遅い。
空雨はそんな大事な事を私に教えてくれた。
だから。もう。
「いってきます…っ」
もう、後悔はしない。
空雨が私に残してくれたもの。
それを胸に、私は走った。