空から雨が降る日。【完】



空雨と友達の晴太。

私のことを恨んでてもおかしくないのに、思い出せばそんな要素一切見せなくて。

いつも優しい瞳で私を見てくれて。…支えてくれて。


「晴太のこと、わかんないよ…っ」

涙が、溢れる。


出会った当初、
知りたくなくて怖くて泣いていたあの頃。

だけど今は、
晴太のことを知りたくて涙が出る。


「お前は本当、泣き虫だな」

そう言ってぱっと私の腕を掴んで歩き出す。

「ごめん、これで。お釣りは良いから」

店員のお姉さんにぽんっとお金を置くとお店を出る。


そのまま約30分無言で歩かされて―…


「…ここ、は?」

着いた先は大きなマンションだった。

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