空から雨が降る日。【完】
「俺の家」
「えっ」
「いいから、ついてこいよ。…知りたいんだろ」
「っ」
ありえない展開に困惑しつつも、その言葉で黙って着いて行く私。
そして3階までエレベーターで上がり部屋の前に来る。
ガチャっと音を鳴らし、晴太は「ん」と私を部屋へと招き入れた。
「そこらへん座ってて」
何をするのか。と思うくらいに部屋に入った晴太はガサゴソとタンスを探りはじめる。
「え…っ晴太?」
あちらこちらに落ちていく洋服。
ビックリして声をかけるも、反応はない。
私は黙ってその場にしゃがみ込んだ。
そして、数分が経った時
「あった」
そう言って手に持っていたのは白い封筒みたいなもので。
「お前宛だよ」
そう言って差し出されたその封筒には、
“雫へ”
懐かしい、見覚えのある字でそう書かれていた。